イマーシブシアター「Touch the Dark」を体験してきました

イマーシブシアター「Touch the Dark」に遊びに行ってきました。

8/25(金)18時の初回公演に行ってまいりましたのでその感想を。内容にはあんまり触れませんがうっかりネタバレしてるかもしれないのでご注意を。

 

「Touch the Dark」は、とある病院の中でおこなわれます。チケットを購入するまで、具体的な場所は内緒。建物の中を歩き回りながら、ストーリーや謎を追っていく仕立てになっています。

主催の DAZZLEはダンスカンパニーなだけあって、見終わった後は「ちゃんと、ダンスの公演を見た」というような充実感がありました。

イマーシブシアターではありますが、あくまで主軸は「ダンス」。ダンスを軸にして、ストーリーや謎解きの要素が紐づいているような印象です。ストーリーライン上にダンスがあるのではなく、同時多発的に起こるダンスを元にした場面のピースを、観客自らが集めて整理して、理解するような舞台でした。

客が勝手に考える、補完させる、というと難易度が高いように思えるけど、とくに公演の前半部分においては、役者に誘導されて行動しました。おそらく観客全員に平等に、見ることができるシーンが振り分けられているし、理解できるように誘導される。役者に従っているうちに、アウトラインがはっきりとしてきます。ストーリーのおおまかな中身を把握して、なんとなくこんな物語か、と理解するのはそれほど難しいことではないように思いました。細かいディティールや、エピソードを集めるのは、公演中の自由行動タイムにかかっていると思います。これを集めるのが、このイマーシブシアターの醍醐味なんでしょうね。ラストシーンもみな平等に見られます。

そして、チケット代金を多く支払った「プレミアムチケット」のお客さんだけが、シーンの理解とは関係のない、ちょっとだけ特別な思いをできるという、とても平等を感じる舞台でした。どこを見た見てない、おなじチケット料金なのにあの人は見れて私は見れなくて、ってことがない。きわめて平等だと思いました。

あとね、フォトブースがあります。ここなら写真撮っていいですよ、って箇所に、公演中案内してもらえます。呟きたいこの時代に、公演内容を害することなく、呟きたい・インスタしたい欲を程よく発散させてくれるこの制度。ある意味日本人らしいというか、やっぱりここも平等で。不思議なセンスだなと思ったけど嫌いではないです。

スリープノーモア以外のイマーシブを見るのはは初めてで、もちろん日本で見るのも初めてで、どんなものかなぁ(しかも初回公演、、、)と思っていたのですが、ああこういう見せ方もあるのか、と。たぶんいろんなやりかたができるんだと思います。イマーシブシアターって。

 

ここからはスリープノーモアと比較したような文章が多くなって恐縮なんですが、いくつか思ったことを書き留めておきます。

まず、客の存在。客は建物のあちこちでおきる事柄を追いながら傍観するわけですが、我々はどういう立場なのか、わからなかった。明確な設定はないような。患者?ですかね。強いていうのならば。だから、どう振る舞ったらいいのかわからなくて、浮遊していました。スリープノーモアとことなって、役者からこちらが「見えて」いる場面が多かったし、客同士で会話してもお咎めとかはないので、けっこうみなさん普通に会話していました。スリープノーモアだと、自分は役者には基本見えていないという設定を自分に課しながら行動するので、より演じている自分にも陶酔するような感覚があります。

客の動線。と、それに伴う時間の管理。難しいところだと思いました。役者はバラバラに散らばるシーンをきちんと繋げて客に見せるために、時間通りに移動すると同時に、客も誘導しなくちゃならない。シビアですよね。誘導されて客が移動するってことも多いんですが、かなりゆっくり気ままに移動されるお客もいたので、こっちが逆にハラハラしてしまいました。うまく誘導しきれていないようなこともあったり。難しいですよね。いかにスムーズに動かして、自分たちの段取りをこなすか。でもここは多分回数かな。

あと、スリープノーモアと比べると、自由に歩き回る時間も短いし、そもそも公演時間自体が短いです。もともと部屋の数はそこまで多くないので、制限時間内に建物の全容を把握することはまったく難しくはないんですが、そんなに疲れるショーじゃなかったです。スリープノーモアは終わった後クッタクタになっちゃうんですが。気持ちのいい集中力と浮遊感のまま終われるのはいいです。

 

もっとイマーシブシアターなるものを日本でたくさんやってくれたらいなぁ、遊びに行きたいなぁと思った次第です。あす9/2にもう一度だけ遊びに行ってきます。前回と違う行動を取るつもりなので、楽しみです。